自宅で熟成ブリ刺身!美味しく食べられるのは何日まで?

ブリの刺身(獲れて2日目) ブリ

大型天然ブリの「まるサバごはん」シリーズ、内臓の煮付けの続きです。

大きくて立派だけど…?ブリの内臓の煮付け
大きなブリの、これまた大きな内臓をまるごと煮付けにしてみました。ブリの内臓の煮付けのちょっと変わった味わいと、大型魚の内臓を美味しく食べるコツを紹介します。

天然ブリのまるサバの醍醐味とも言える「熟成刺身」。

自己流の熟成で何日間おいしく食べられるか、試してみました。

熟成刺身の作り方と、1日ごとの味の変化を詳しく紹介します。

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ブリの刺身

熟成処理

ブリをサバいた後にリードとラップで包み、チルド室で保存しておいたサクたち。

リードとラップで包んでチルド室に入れたサク

リードは身から出た水分を吸って湿ってくるので、熟成期間中は毎日リードを交換します(汚れたらラップも)。

かおり
かおり

安いキッチンペーパーだと水分を吸って破れて身にこびりついたりするので、ケチらずにリードを使うのがオススメです。

大型ブリ一匹分ともなると量が多くて大変ですが、熟成刺身を安全に美味しく楽しむためには必要な処理。毎日せっせと取り替えます。

獲れて2日目のブリの刺身

獲れて2日目(届いた当日)は、カマのすぐ後ろの腹側の身を食べることにしました。

前の腹側(獲れて2日目)

下処理と保存処理の記事で紹介したブリの解体図で言うと、前の腹側、8番のサク。脂が一番乗っていて、刺身向きの部位です。

刺身8番

 

腹骨と皮を引いて刺身にすれば、あっという間に完成です!

ブリの刺身(獲れて2日目)

見るからに美味しそう~!いただきます!!

 

 

・・・完璧な美味しさ!!!

失敗してしまった内臓の煮付けの直後ということもあり、より美味しさが際立ちます…

同じ「腹の前側」の身とは言っても、より背に近い部分(マグロで言うと中トロ、写真左)と腹の底の部分(同じく大トロ、写真右)で、くっきり味が違います。

 

中トロは、酸味が印象的。

獲れて2日目なのでまだまだ新鮮で、「カド」が立ってシャキッとした食感のフレッシュな刺身です。

とはいえ、噛んでいると複雑な味わいがどんどん出てきて、今後の熟成のポテンシャルを垣間見せてくれます。

皮下脂肪の白い層がくっきりと見えるほど、すごい脂乗りなのに…

ブリの中トロの皮下脂肪

全くクドくなくて、いくらでも食べられそう!

個人的に、天然ブリと養殖ブリの一番大きな違いは脂の質だと思っています。

天然ブリは、食べたそばから脂がサラサラと身体を巡るイメージが浮かんでくるような、食べていて気持ちが良い脂なんですよね。

 

大トロは、ご覧の通り凄まじい脂乗り。

ブリの大トロ

もちろん、この脂もずっと食べ続けていられるような「気持ちいい脂」です。

味に関しては、今日の時点では中トロほどの複雑さは感じません。

その代わり(?)歯ごたえのジャキジャキ感がすごい!

大トロのジャキジャキ感を楽しむなんて、家でしかできない贅沢で本当に幸せ…

今後この食感が消えて、どう変わっていくかも楽しみです!

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獲れて3日目のブリの刺身

獲れて3日目は、中の腹側(10番)のサクを刺身にしてみます。

刺身10番

 

ブリは酸化しやすく、表面がすぐに黒っぽくなるので、

中の腹側(獲れて3日目)

 

その部分は丁寧にトリミングして、腹骨と皮を引きます。

酸化して黒くなった部分をトリミングする

 

昨日と同じように、より背に近い部分(写真左)と腹の底の部分(写真右)に分割。

ブリの刺身(獲れて3日目)

昨日の前の腹側とは、見た目も違いますが味もかなり違いますね~!

今日の背に近い部分は、カツオのような血っぽい印象を受けます。

酸味もほど良く感じられて、そのまま食べるのはもちろん、紅菊盛り(別の記事で紹介します)との相性も抜群な予感。

 

腹の底の部分は、今まで食べた部位の良いとこ取りのような感じで、刺身の一つの完成形を見た思いです…!

見た目は脂が乗っているな~という感じですが、全くベタベタせず、舌に載せた瞬間にそこから吸収されてそのまま血液の一部になりそうな、きれいな脂。

しかも素晴らしいのは脂だけではなくて、昨日の大トロよりもしっかりとした身らしさもあり、熟成のおかげかジャキジャキ感もなくなり、旨味もたっぷり出ていて洗練された味わいに。

ひたすらに素晴らしい、感動の刺身でした!

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獲れて4日目のブリの刺身

獲れて4日目は、もう一つだけ残っている前の腹側(2番)を刺身にします。

刺身2番

前の腹側(獲れて4日目)

 

昨日と同様に、酸化して黒くなった部分をトリミングし、腹骨と皮を引き、

酸化して黒くなった部分をトリミングする

 

中トロ(写真左)と大トロ(写真右)に分けて刺身にします。

ブリの刺身(獲れて4日目)

 

一昨日(獲れて2日目)の同じ部位の刺身と比べると…

ブリの刺身(獲れて2日目)

全体的にしっとりと柔らかい印象になっている気がします。

中トロの皮下脂肪は酸化していたので取り除きましたが、大トロは相変わらず凄い脂…

大トロの脂

味も相変わらずとっても美味しいのですが、昨日の素晴らしい美味しさと比べると、少しだけ旨味が抜けた感じがします。

 

理由を考えるにあたって、以前に紹介した熟成の仕組みをざっくりとおさらいすると…

魚の熟成の仕組みは?神経締めの効果は?科学的に詳しく解説!
魚の熟成や神経締めがブームになりつつある今日ですが、熟成とはそもそも何なのか?神経締めでどのような効果が得られるのか?など詳しいことはあまり知られていません。この記事では魚の熟成や神経締めの仕組みや効果について、科学的知見に基づいて詳しく解説します。

魚が死ぬと、筋肉中のATPという物質が酵素の働きで段階的に分解されていき、その過程でうまみ成分イノシン酸(IMP)になります。

イノシン酸がさらに分解されると、臭み成分のイノシン(HxR)ヒポキサンチン(Hx)になっていきます。

ATPの生成過程

 

今日の刺身をこの熟成の流れに当てはめると、イノシン酸のピークが過ぎてイノシン等への分解が始まっているものの、人間が臭みを感知するレベルには至っていない状態と言えるのではないかと思います。

セオリー通りにいくと、明日になるとさらに味が薄くなり、もしかしたら臭みが出てくるかもしれません。

この個体に関しては、獲れて3日目くらいが旨味のピークだったのかなと思いますし、熟成の仕組みを考えても妥当なところだと言えそうです。

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獲れて5日目のブリの刺身

そうは言っても味の変化が気になるので、もう1日だけ刺身で食べてみることに。

「ブリ糸状虫」がいたのでブリしゃぶにする予定だった中の腹側(4番)のサクの、頭に近い一部だけ刺身にしてみます。

刺身4番

 

リードから開封すると、血合いの部分の変色がかなり進んでいます。

中の腹側(獲れて5日目)

 

露出している面は全てトリミングし、腹骨の部分も大胆に切り落としました。もったいない気もしますが、自己流の熟成なので安全第一です。

頭に近い部分を切り分け、

トリミングし、一部を刺身にする

 

皮を引き、茶色くなっていた皮下脂肪を切り落として、きれいな部分だけを刺身に。

ブリの刺身(獲れて5日目)

昨日の時点で味が抜けていたので、あまり期待せずに食べましたが…

めちゃくちゃ美味しい!!

ネットリ・モッチリした食感に、タンパクの旨味と脂の旨味が混然一体となって、余韻の長い深みある味わいを生み出しています。

 

初期の刺身は、脂肪と肉の旨味が点描のように分離していました。

バラバラな要素が口の中で一緒になる、カレーライス的なイメージです。

対して今日の刺身は、ミキサーでドロドロにしたカレーライスのような感じ!

 

まるサバ
まるサバ

例えが悪すぎない?

 

……とにかく、一体感が素晴らしい!

旨味もたっぷり感じますが、今までのイノシン酸の旨味は引いて、別のタイプの旨味が醸し出されているような気がします。

熟成の仕組みを考えても、ATPからイノシン酸までの反応がずっと継続して旨味のピークが続いているとは思えません。

それよりも、ATPの反応のピークは過ぎているけど何らかの違う旨味が出てきて(例えば、タンパクが分解されて遊離アミノ酸が出てくるとか?)、臭みが出ている部位はトリミングしたので臭みを感じない、という解釈の方がすっきりする気がします。

う~ん、熟成って奥が深いですね。

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獲れて6日目のブリの刺身

意外な美味しさに味を占めて、獲れて6日目のブリ刺も試してみました。

が、明らかな臭みが出ていて、刺身では美味しくありませんでした…

加熱料理にして事なきを得ましたが、それはまた後日ご紹介しますね。

ブリの熟成刺身 味の変化まとめ

まとめると、今回のブリの刺身は次のような味の変化を辿りました。

日数
獲れて2日目(届いた当日) フレッシュ・旨味出始め
獲れて3日目 イノシン酸の旨味最高潮
獲れて4日目 美味しいが、少し旨味が抜ける
獲れて5日目 違うタイプの旨味が出てきて、円熟した味わい
獲れて6日目 臭みが出て刺身では美味しくない

というわけで、タイトルの答えは「獲れて5日目まで美味しく食べられる」でした。

ただ、去年同じ方法で熟成させたブリは一週間くらい刺身で美味しく食べられたので、臭みが出るまでの時間には個体差があるようです。

何日まで刺身で美味しく食べられるかを探るのも、自宅での熟成の楽しみですね。

かおり
かおり

ただし、安全第一で深入りは禁物です。

おまけ1:プロの熟成処理

ちなみに、プロが行う魚の熟成処理では、キッチンペーパーとアルミホイルなどに包んだサクを真空パックにして、氷水に浮かべておいたりするそうです。

こうすると、酸化を防いだり、身の重さで身の下部が痛むことを防ぐことができるため、一週間以上の熟成も可能です。

これを自宅で行うのは手間がかかりすぎますし、いくら気を付けても自宅の衛生環境で長期の熟成をするのは危険が伴うので、今回は簡易的な熟成方法をご紹介しました。

数日程度ですが、熟成の醍醐味を十分に味わえますよ!

おまけ2:トリミング部位の紹興酒炒め

上でも散々述べたように、熟成刺身を作るときは変色した表面をトリミングしなければいけません。

ただ、この部分は酸化しただけで腐っているわけではないので、捨てるのは勿体ないな~と常々思っていました。

そこで、今回はトリミング部位を有効活用すべく、長ネギと一緒に紹興酒炒めにしてみました(獲れて3日目の刺身のトリミング部位)。

トリミング部位の紹興酒炒め

味は悪くありませんが、ただでさえ細かいトリミング部位をそのまま炒めたせいで、身がボロボロになって食べにくく改善の余地ありです。揚げ物とかの方が良いのかな?

「まるサバごはん」の名にかけて、トリミング部位の活用方法も研究してみようと思います。

 

大型天然ブリの「まるサバごはん」シリーズ、次回は「カマの塩焼き」です。

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