お魚友達が送ってくれた稚鮎と巨大ヒゲダイ

アユ

7月下旬、お友達が琵琶湖の稚鮎をたくさん送ってくれました。

コアユ

 

おまけにヒゲダイ付き。半身のさらにお腹側の半分(4分の1)を切って送ってくれたのですが、それだけで約30cm・500gもある大きな個体です。

 

久しぶりのアユ。定番の甘露煮や天ぷらも良いですが、ちょっと冒険したい&ワインの気分だったので、違った料理に挑戦してみたいと思います。

稚鮎とヒゲダイのまるサバごはん

稚鮎のコンフィとジャクソンフルーツ カッテージチーズを添えて

まるサバ
まるサバ

長いな・・・

フランス料理店サロン イナシュヴェのオーナーシェフ酒井淳氏のyoutubeに上がっていた、柑橘とチーズを使ったレシピのアレンジです。

 

本当は柑橘として美生ゴールドを使うのですが、スーパーで売っていたのがジャクソンフルーツ(甘いグレープフルーツ)だけだったのでこちらで代用。

同様にマスカルポーネチーズもなかったので、牛乳を火にかけて酢を入れて作ったカッテージチーズで代用しました。

他はyoutubeのレシピ通りです。

 

まずアユにしっかり塩を振り、ほんのり焼き目をつけます。

 

ジャクソンフルーツを2等分し、半分は果汁を絞り、もう半分からは果肉を取ります。皮は器にするので取っておきます。

 

鍋に果汁、同量の水、はちみつ、クミンシード、八角を入れ、

 

アユを煮詰めます。

 

煮詰まったら冷まし、

 

みかんの器の底にチーズを敷いた上に、アユ・果肉・チーズ・バジルをバランス良くあしらい、上からEXオリーブオイルをかけて完成です。

稚鮎のコンフィとジャクソンフルーツ カッテージチーズを添えて

バランス良く…?

さすが本格フランス料理、かなり手間がかかりました。

お味は・・・なんだか複雑な味!

盛り合わせのような感じで、独立したそれぞれの素材が口の中で合わさって味が作られていきます。

本当に高級フランス料理店でこの料理が供されるとしたら、口の中に入れたバランスも考えて食材選びがなされると思うのですが、今回は如何せんチーズは手作り、フルーツも代用、アユの大きさも多分動画のものよりも大きい(ので骨が当たった)ので、レシピが意図したバランスなのか不明です。

 

まるサバ
まるサバ

十中八九違うよね

 

絶妙なバランスの上に成り立っているレシピなので、家で再現するのは難しいと感じました。

 

かおり
かおり

以前フランス料理への憧れからレシピ本を買って色々作ってみたときにも同じようなことを感じたのを思い出しました…

 

ただ、アミューズとしてのワクワク感があって楽しいですし、チーズもフルーツもアユも、単体ではワインのつまみとしてばっちり。

私の技量不足で料理としての完成度を上げることはできませんでしたが、ポテンシャルを感じる一品でした。シェフの作ったバージョンを食べてみたいな~

スポンサーリンク

ヒゲダイの炙り ジェノベーゼソース

ベランダ菜園のバジルが育ちすぎていたので、ジェノベーゼソースにしました。

 

冒頭で述べた通り、とても大きなヒゲダイ。

ヒゲダイは大きいほど美味しいという話を聞いたことがあるので期待が高まります。

身質も良く、包丁を入れた感覚からもポテンシャルの高さをひしひしと感じます。

 

あらかじめ塩をして少し寝かしてから、バーナーで炙り、

 

ジェノベーゼソースと一緒に盛り付けて完成。

これは美味しい!

味が濃く、脂も乗っていて、ジャキジャキした歯ごたえも楽しい。

ジェノベーゼソースも美味しいのですが、魚自体が美味しすぎてやや力負けしている印象?

それはそれで良いのですが、単純にオリーブオイルと塩の方が洗練された味わいにはなったかもしれません。

味が足りない魚の旨味を足すのにソースは役に立ちますが、魚だけで十分すぎる旨味がある場合にはボケてしまうのかも…

頭の中でフィルタリングしてヒゲダイの味を抽出しようとする処理を行う感じになってしまったので、それなら最初からソースはなくてもよかったかな。

明日は塩で、日本酒と一緒に食べたいです。

稚鮎の花椒コンフィ

またまたyoutubeを漁っていると、アルカンシエルさんのこちらの動画を発見。

実山椒とアユのコンフィなんて間違いなく美味しそう・・・!

実山椒がないのでドライの花椒で作ってみます。

 

まるサバ
まるサバ

自己流アレンジ懲りないね~

 

アユのぬめりを塩で取った後、さらに塩をして30分置きます。

 

太白ごま油かオリーブオイルでヒタヒタにし、たっぷりの花椒と半分に切ったニンニクを入れ、95℃のオーブンで3時間。

 

粗熱を取り、

 

キュウリの細切りを添えて完成です。

これは文句なしに最高・・・!

95℃で3時間オーブンという節約心との闘いの甲斐あって、骨を全く感じません。

おまけに、身も驚くほどしっとりしていて、内臓の香りもしっかり残っていて・・・まさに「アユ食べてる~!」という感慨が湧いてきます。

つけ合わせのキュウリも相性抜群。

交互に食べると程よく口がリフレッシュされます。

そもそもアユはキュウリウオ科ですし、蓼酢の代わりにキュウリ酢を合わせたりもしますもんね。

花椒やニンニクといった強いスパイスも悪目立ちせず、調和のとれた滋味深い味わい。

これはアユ料理の鉄板としてリピ決定。たくさん作ったので明日も楽しみです。

スポンサーリンク

稚鮎の花椒コンフィ2日目

2日目のコンフィは、更にしっとり、こなれた味わいになっていました。

冷蔵庫から出したての冷たい状態でしたが、これもまた最高に美味しかった…

 

ヒゲダイの塩炙りスダチ添え

昨日の反省を活かし、シンプルな塩炙りにスダチを絞りました。

これは大正解!魚の美味しさが引き立ちます。日本酒美味しい~

ただ昨日も思ったのですが、魚が大きいぶん皮が硬く、しっかりと焼き目が付くまで炙ってもまだ硬めです。

皮の味の良さとどちらを取るかで悩ましいですが、引いても良かったかもしれません。

スポンサーリンク

稚鮎の花椒コンフィ3日目

この日は仕事終わりに映画「君たちはどう生きるか」を観てきました。

帰宅後はがっつり晩御飯という時間ではなかったので、少し残っていたコンフィをつまみにウイスキーで映画の余韻を楽しみました(必死に咀嚼したと言った方が正しいかも)。

コンフィの美味しさは相変わらずなのですが、ワイン・日本酒・ウイスキーと幅広いお酒に合うのにもびっくりです。

アユはただでさえ一癖ある魚ですし、さらに花椒を入れたからもっと限定的になるかと思っていましたが、しっかり熱を入れたからか変な癖はなく、それでいてしっかり印象深い味。

本家レシピの実山椒バージョンも是非とも作ってみたいです。

***

今回稚鮎とヒゲダイを送ってくれたお友達とはたまにお魚を送り合っています。

場所が違うと魚の種類も全く違って楽しいですよね。

持つべきものはお魚友達…本当に有難い限りです。

アユの小話

琵琶湖には、生涯湖に留まって小さいまま生涯を終える「コアユ」と、川に遡上して大きく育つ「オオアユ」がいると言われています。

両者は別種の様に扱われることも多いのですが、実は同一種です。

というのも、琵琶湖を小さいまま泳いでいるコアユを他の河川に話すと、普通のアユの様にぐんぐん大きくなるし、遺伝的な分析でも両者に差は見出されていないからです。

 

琵琶湖のコアユは海水に適応していないので、放流した川でそのまま大きくなるため、釣り人にとっては放流効果の高い都合の良い魚と言えます。

このため、全国の川に放流されているアユの大部分はついこの間まで琵琶湖産のコアユでした。

ただ、琵琶湖のアユは「冷水病」という厄介な病気を持っていることがあり、これが放流により全国の河川に広がってしまうため、琵琶湖産コアユの放流は問題視されるようになりました。

また、元から川に生息するアユの餌や居場所を奪ってしまい、地域個体群に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。

そんなわけで、今では琵琶湖産のアユが全体の放流量に占める割合は2割くらいにまで減少したそうです。

とはいえ、アユの資源を維持するために河川のアユを使った大規模な放流事業は継続しています。放流しなくてもたくさんのアユが自然に生活できる川を取り戻すのが一番なのですが、今の日本では途方もない夢なのが悲しいところです…

 

さて、コアユは主に琵琶湖で動物プランクトンを食べて生活している集団を指すのですが、今回のアユは犬上川という琵琶湖に流入する河川に遡上したもので、藻を食べて生活している集団でした。

その証拠に砂利をかんでいて、食べるときにジャリジャリして難儀しました。

後で調べてみたら、おなかを撫でてフンを排せつさせてから調理すると良かったようで、次は是非ともそうしようと思います…

 

ということで、今回のものは「小さいアユ」ではありましたが、「コアユ」ではなく将来の「オオアユ」候補たちであり、生涯を小さいまま過ごすとは限らないアユたちでした。

オオアユの稚魚ということで文中では「稚鮎」と呼びましたが、なんだか頭がこんがらがってきますね。

 

次回更新は9月22日を目標にします。

残暑厳しい折、ご自愛ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました