今年の夏はとにかくハモが安かった…パトロール対象のスーパーでは一番安い時で6匹500円くらいで売っていました。今時サンマでもそこまで安くならないというのに…
その代わりマルの状態で売っていて、当たり前ですが下処理や骨切りはしてもらえません。
かえって好都合とばかりにハモの骨切りにチャレンジし、自宅でハモ料理をたらふく堪能。ひと夏でサバいたハモの数は20匹を超え、作った料理は14品にも上りました。
せっかくなので14通りのハモの食べ方を美味しさ順に格付け!ランキング形式で発表したいと思います。
前編となる本記事は14位から6位までを紹介。ランキング下位のため辛口評価の料理も多く含まれていますが、完全に私の独断と偏見によるものなので悪しからず…
また、職人技と言われるハモの骨切りを素人がそこそこ上手に行うコツがわかってきたので、こちらも後編の最後にご紹介します。
それでは、ハモ料理ランキング14位から6位をご覧ください。
【14位】骨せんべい
まさかの骨からスタート。でもれっきとしたハモ料理、サバいて出た骨をグリルでじっくり焼いた骨せんべいです。
サヨリなど、身を凌駕するほどの旨味を持つ骨せんべいもあるので少し期待しましたが、ハモの場合はちょっと微妙でした。
骨が硬いのでよく焼かないととっても食べにくいのに、焼きすぎるとハモの風味や脂が全部飛んでしまい、ただのボリボリした棒に…
骨せんべいは華奢でなおかつ脂が乗っている魚で作るのが美味しいのかもしれません。
【13位】蒲焼き
築地魚河岸三代目で京料理として紹介されていたハモの蒲焼き(築地魚河岸三代目4巻Fish 3, 4幸せな中食参照)。
骨切りしたハモをグリルで数分焼いてからタレを塗ってさらに焼くと、焼きすぎたのかパサパサに。ハモの大きな魅力であるフワフワ感がなくなってしまいました。
焼き時間を少なくしてみても、やっぱりパサパサ。
美味しく焼けるまで後には引けないと意地になり、一度蒸篭で蒸してから焼いたり、串焼き風にしたり、色々と試みてみましたが…どれも満足する出来にはなりませんでした。
本場京都の蒲焼きを食べたことがないのでなんとも言えませんが、家で美味しく焼くのはちょっと難しいのかもしれません。
【12位】唐揚げ
買って日が経ち臭みが出てきたハモを、臭み消しの定番・唐揚げにすると…臭みと共にハモの良さも消え去ってしまいました。
アラの唐揚げの感覚で漬けダレに2時間も漬けたのが敗因。もともとの上品な味に加えて骨切りで味が染みやすくなっていることで、味が強くつきすぎ衣と醤油味の何が何だかよくわからない料理に…
味自体は鉄板の唐揚げの味付けなので美味しいのですが、ハモ料理としては失敗です。次にチャレンジするなら、タレに漬けるのを一瞬だけにするのが良いかな。
【11位】オーブン焼き
野菜不足が続いたので、骨切りしたハモを適当な野菜と一緒にオーブンで焼いてみました。
味は美味しいけど、火が通りすぎてハモなのか何なのかわからない…やっぱりハモは半生くらいの火の通し加減にしてフワフワ感を残さないと良さが活きないですね。
ハモである必要が全くない料理なので、10位圏外となりました。
【10位】ハモ団子鍋
ハモのすり身とエソのすり身で団子を作り、昆布出汁の鍋にしました。
団子は3種類。ハモだけ(写真上)・エソだけ(写真下)・ハモエソミックス(写真中)です。
ハモだけ団子は正直あまり美味しくありませんでした…硬いし、なぜかハモの味がしないし、ブニブニでスーパーの安い練り物みたい。
エソだけ団子はフワフワ感があり、エソの旨味も感じられます。
一番美味しいのはミックス団子。エソより締まり、ハモほどブチブチ切れず、味も濃い!
〆の雑炊はどちらから出たのかわかりませんが甘味の強い出汁が素晴らしかったです。
【9位】冷やし骨酒
骨せんべいは散々な出来でしたが、めげずに骨酒も作ります。
通常は熱々の酒で作る骨酒ですが、ふと思い立ち水出しコーヒーならぬ冷酒出し骨酒にしてみました。
ハモの背骨をグリルでこんがり焼き、片口に入れて冷たい酒を注ぎ、2時間放置します。
熱々の骨酒は美味しいのですが、甘みが強く出てデザート酒のような様相を呈し、食中酒には適さないな~と常々思っていました。
一方、冷酒出しは骨の味はしっかり出つつ甘みは控えめで後味スッキリ。熱を加えないのでアルコールが飛ばず酒感が残るのも嬉しい。
今回は食後に飲みましたが、ハモ料理のペアリングで食中酒にしても楽しそうです。
【8位】天ぷら
ハモの定番料理がようやく登場。
シンプルですが安定のおいしさ!上品だけど芯のあるハモの味が堪能できます。
意外とランクが低いのは火の通し加減が難しいから…
今回は200度の油で30秒~1分くらい揚げましたが、大きいピースは半生の丁度良いフワフワ感になった一方で、小さいものは火が通りすぎてややボソボソに。
揚げ時間があまりにも短いと衣がカラっとせず物足りないですし、素人が家庭で上手に揚げるのが難しい料理です。
【7位】卵巣の煮付け
立派な卵巣を持った個体がいたので煮付けて食べました。とっても美味しい!
今回の卵巣は排卵直前で卵がポロポロと剥がれ落ち、1つ1つの卵がしっかり主張するような食感でした。
味自体はすごく美味しいのですが、これよりも成熟が進んでおらず、卵径が小さくギッシリと詰まり、明太子のように包丁でスライスできるような状態が一応は美味しさのピークなのかなと思います。
とはいえ、今回のようなホロホロ・ツブツブの舌触りもこれはこれで楽しく美味しい。
数ある魚卵の中でも屈指の味わい。是非お試しを!
【6位】ハモチゲ
ハモ2匹分のアラをグリルでじっくり焼いてから出汁を取り、昆布出汁と合わせます。これに炒めたキムチを加えてコチュジャンやみりんで味を調えたものをスープとし、ハモをしゃぶしゃぶして食べます。
普通のチゲ鍋より薄口にしたとは言えチゲはチゲ。ハモの淡泊な味が消えてしまうのでは?とも思いましたが、全くそんなことはなく相性バッチリでした。ハモが淡泊な味わいというのはただのイメージで、冷静に味わうと味自体はかなり濃いような気もしてきます。
チゲ鍋はチゲ鍋でもしゃぶしゃぶ形式にしたので、ランキング下位のハモ料理で鬼門だった火の通し加減を簡単に調整でき、美味しい半生の状態で食べることができます。
ハモを買ったらチゲ鍋が絶対オススメ!というわけではありませんが、ハモを鍋にするならしゃぶしゃぶ形式!これは自信を持ってオススメします。
ハモ料理ランキング14位から6位、いかがでしたか?
小話
ハモはニホンウナギやマアナゴと同じ、ウナギ科の魚です。
しかし、これらの魚はすべて属が違い、ウナギはウナギ属、マアナゴはアナゴ属、ハモはハモ属に分類されます。
属が違っていても、にょろにょろとした体形をしていたり、血液中に同じようなタンパク毒を持っていたりと、共通点が多いです。
これらの魚のもう一つの特筆すべき共通点は、「レプトセファルス」という木の葉のような形をした幼少時代を過ごすことです。
こんな形をした赤ちゃんが、あんなににょろにょろした大人になるなんて…にわかには信じられませんね。
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