旬を大きく外したハガツオの刺身は、脂乗りも旨味も控えめながら絶品の美味しさ!
…でも、加熱するとどうなるでしょうか?
ハガツオの幽庵焼きの簡単な作り方と、その意外な味わいを紹介します。
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ハガツオの「まるサバごはん」、刺身・炙り、マース煮、なめろう・潮汁の続きです。
ハガツオを買った当日に刺身と炙りをたっぷり堪能した後、1サクだけ残った背側の身を幽庵地に漬けておきました。
身の大部分を刺身と炙りで消費しながら、アラや血合いでしぶとく楽しんだハガツオの「まるサバごはん」、幽庵焼きでフィニッシュです。
ハガツオの幽庵焼き
ジップロックに醤油・酒・みりんを1:1:1の割合で入れて幽庵地を作ります。今回は柚子などは入れませんでした。(単に冷蔵庫になかっただけ…)
ハガツオのサクを幽庵地に漬け、チルド室で保存します。
漬けて3日目のものがこちら。
焦がさないようにオーブンでじっくり焼けば、ハガツオの幽庵焼きの完成です!
山口県の雁木と一緒に、いただきます!
・・・おいしい!
でも…刺身や炙りほどの感動はないかな?
味はやっぱりカツオを上品にした感じ。
カツオを加熱するとやや硬くなってパサつきますが、ハガツオではその程度がもっとマイルドに。焼き加減が丁度良かったのもありますが、パサつくというより寧ろしっとりめのエレガントな歯ごたえです。
ただ、刺身で突出していた「酸味」や「柔らかさ」という個性が削れて丸くなり、「無難に美味しい幽庵焼き」といった味わいに…
本当に本当に美味しい幽庵焼きなのですが(ハガツオの名誉のために念押し)、刺身が美味しすぎたのでちょっと分が悪かったかな。
思うに、幽庵焼きは脂が乗っていて味が濃い魚の方が美味しく作れるのかもしれません。
脂は乗っていないけど香りで勝負!というタイプの魚を幽庵焼きにすると、香りが飛んでたちまち凡庸な味になってしまう…
このハガツオは旬を大きく外していて、味がものすごく濃いわけでもなく脂の乗りも薄めでした。
それなのに何故刺身があんなに美味しかったのか?その理由は爽やかな香りと酸味、そしてそれを引き立てる柔らかな舌触りにあったのですが…焼いたら全部なくなっちゃった!!!
この間のマナガツオのように加熱によって旨味が引き出される魚も多いですが、ハガツオの幽庵焼きではそのような効果は得られないようです。
ただ、ハガツオは鮮度落ちが早い魚なので、今回のように刺身や炙りで食べ切れない分を幽庵地に漬けて保存しておくというのはアリですね。
脂が乗った旬のハガツオなら幽庵焼きももっと美味しくなるのかも…
また、加熱は加熱でも揚げ物のように足りない脂を補ってあげるような調理法だとまた違ってくるのかもしれません。
これからもハガツオの「まるサバごはん」を追求しなければ!と思った一皿でした。
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