サンマがなければイワシを食べればいいじゃない

マイワシの塩焼き マイワシ

今年もサンマが不漁ですね。

初競りではなんと一本5050円という高値がついたところもあったようです。

これまでのような「一本100円以下のサンマが食べ放題」という状況は当分期待できなさそう。

でも、 あの脂ノリノリ、皮はバリバリで身はしっとり、おまけに青魚の美味しさが凝縮されたサンマの塩焼きが食べられない秋なんて寂しすぎる…というあなたに朗報です。

今年もサンマが高い!代わりに豊漁で安いマイワシを食べよう

サンマの代わりに増えてきたマイワシを食べればいいのです!

マイワシ

なんだイワシか…と侮るなかれ。

私たちのサンマ欲を立派に満たしてくれる救世主と言っても過言ではありません。

マイワシがサンマの代わりになるのには理由があります。

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サンマの代わりになる理由1:脂が乗った青魚である

サンマと同じように、マイワシも脂が乗った青魚です。

たっぷりの脂と青魚の独特の風味により、魚でありながら肉なみの食べ応えがあるのもサンマの魅力。

これをマイワシでもそっくりそのまま再現できます。

 

サンマの代わりになる理由2:調理の手間がかからない

サンマと同じように、マイワシも調理の手間がかからない魚です。

内臓も美味しく食べられるので、包丁も使わず手も汚さず、そのまま丸焼きにできます。

 

サンマの代わりになる理由3:豊漁でかつてのサンマなみに安い

サンマと違い、マイワシは近年豊漁に恵まれていてとってもお買い得です。

一匹の大きさはサンマより小さいですが、重さ当たりの単価は同じくらいなので、その分たくさん焼けば良いのです。

まるサバ
まるサバ

 「近年豊漁」ということは、前はそうでもなかったの?

かおり
かおり

その通り。実はつい最近の2010年頃まで、マイワシは歴史的不漁に見舞われていたのです。

マイワシは1980年代まで豊漁に恵まれていましたが、突然獲れなくなり、一時は「資源が崩壊した」とまで言われていました。

それまでは庶民的な魚であったマイワシが一転して高級魚となり、海外から輸入されたりもしていたんです。

まるサバ
まるサバ

今のサンマと一緒だ!

かおり
かおり

そもそもマイワシやサンマなどの青魚は、増えたり減ったりを繰り返すものです。

サンマが獲れなくなったというと、とにかく外国船が悪者にされがちですよね。

でも実は、青魚の増減は人間が漁業を始める前の太古の昔から繰り返されてきたことがわかっています。

理由には諸説あり、漁業の影響を完全に無視することはできないようですが、人間の活動とは関係ない自然の摂理として増えたり減ったりすることは間違いないようです(詳しくは下記のおまけを参照)

増減が避けられないのであれば、私たち人間の方が柔軟に消費スタイルを変えていくのがあるべき姿なのかもしれません。

この飽食の時代、食文化を錦の御旗として獲れないサンマに執着するのは野暮というものではないでしょうか?(近年のウナギにも言えると思いますが…)

その時に獲れる魚を、謙虚な気持ちで有難くいただきたいものです。

今は、豊漁のマイワシを存分に楽しみましょう!

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マイワシのおすすめの食べ方

マイワシが食べたくなってきたところで、オススメの食べ方を紹介します。

サンマと同じ食べ方でOK

イワシ料理と聞いてぱっと思いつくのは、梅煮や生姜煮などの煮付け系ではないでしょうか?

実際に、「マイワシ レシピ」などで検索すると、それらのレシピがたくさん出てきます。

内臓をきれいに処理したり、臭み消しの手順があったりと、なかなかに面倒くさい…

サンマの塩焼きの魅力の一つは調理の手軽さにあると思うので、これではサンマの代わりになるとは言えませんよね。

でも、実はマイワシの美味しい食べ方はサンマと全く一緒です。そのまま塩焼きでOKです。

これはただの想像なのですが、先述のマイワシの豊漁期が、一汁三菜的な手間をかけた家庭料理が広まった時代と重なったために、丁寧な下処理を施した煮付けがマイワシの定番料理として認識されるようになったのかも…なんて思っています。

おすすめマイワシ料理1:塩焼き

というわけで、マイワシのおすすめ調理法はなんといっても塩焼きです。

買ってきたマイワシに塩をして、丸焼きにするだけ。

内臓を抜く必要もありません。

マイワシの塩焼き

味が濃く、脂が乗っていてジューシー。

揚げ焼きのようになるので、ジャンキー感すらあります。

満足感が高く、栄養価が高く、おまけに骨が柔らかくて食べやすい。

のどに刺さりにくいのでお子様の食育にも活躍してくれそう。

手間もかからずとっても美味しいマイワシの塩焼き、まずはこれがオススメです!

おすすめマイワシ料理2:アヒージョ

塩焼きの次に試していただきたいのが、マイワシのアヒージョ。

やや変化球ですが、我が家では定番のワイン用おつまみです。

 

内臓そのまま、頭だけ取ってぶつ切りにして、

マイワシぶつ切り

 

ニンニクと唐辛子を入れたオリーブオイルで煮込むだけですが…

オリーブオイルで煮込む

 

お店で出てきそうなお洒落な一品(当社比)に!

マイワシのアヒージョ

フワフワの食感と濃厚な旨味で、ワインはもちろんビールともハイボールとも相性抜群です。

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まとめ:サンマがなければイワシを食べればいいじゃない

サンマが不漁だというニュースを毎日のように聞いていると、気が滅入ってしまいそうですよね。

でも、その代わりに今はマイワシが豊漁です。

流通網も確立されているので、産地に限らず全国どこでも新鮮なマイワシがお安く手に入りやすいと思います。

次にスーパーに行った際には、是非お魚売り場をチェックしてみてくださいね。

 

おまけ:青魚の増減の謎

なぜ、青魚の量が太古の昔から増えたり減ったりしていたとわかるのでしょうか?

イワシにはウロコがありますが、すごく剥がれやすいのでスーパーに並ぶ時にはほとんど残っていません(サンマもそうですよね)。

水中でポロポロと剥がれたイワシのウロコは海底に積もります。

この剥がれたウロコが、なんと2850年(!)ものあいだ積もり続けていた場所が別府湾にあったそうです。

ここは海底の酸素が少ないので、こんなに長い間ウロコが分解されずに残っていたのです。

海底の表面には今年積もったウロコが、その下には去年積もったウロコが残っていて、その量は魚の量に応じて変動します。

この研究ではマイワシとカタクチイワシのウロコの量の変動を調べているのですが、いずれの種でも大きな変動を繰り返していることがわかりました。

魚は人間の活動とは関係なしに、大昔から増えたり減ったりしていたのですね。

これに合わせて人間が食べる魚を変えていくのが自然なのかなと思います。

<引用>

Kuwae, M., Yamamoto, M., Sagawa, T., Ikehara, K., Irino, T., Takemura, K., … & Sugimoto, T. (2017). Multidecadal, centennial, and millennial variability in sardine and anchovy abundances in the western North Pacific and climate–fish linkages during the late Holocene. Progress in oceanography, 159, 86-98.

コメント

  1. ますみ より:

    いつも大変興味深く拝読してます。ありがとうございます。
    イワシの塩焼きは、ワインビネガーかけるととたんに赤ワインのおともになります。本来はオリーブオイル、玉ねぎみじん切りとパセリもかけるようですが、案外ビネガーだけでもいけるのでおすすめです!

    • marusabagohan marusabagohan より:

      コメントありがとうございます。
      いつも見てくださっているとのこと、とても嬉しいです!
      イワシの塩焼きにワインビネガーとは考えもしませんでした…すごく美味しそうですね!
      眠っているワインビネガーを引っ張り出して、早速試してみます。
      ありがとうございました。

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