まるサバごはん、今日の魚はこちら!
コイチです。
毎日更新しているコンテンツのみに許される導入だ…
3か月ぶりの更新のくせに調子に乗ってすみません
コイチは主に西日本で獲れ、流通もそこそこしているようなのですが、私にとっては初めましての魚です。
基本的には淡泊な白身魚ですが、漁獲後の処理が良くないと独特のクセが出るらしく、それもあってか価格も安めに取り引きされているようです。練り物の材料にされることも多いそう。
今回手に入れたコイチは、「神経締め」と「血抜き」という丁寧な処理が施された個体。期待大です!
50cmオーバーと大きいので、何日かに分けて少しずつ食べていこうと思います。
コイチのまるサバごはん
〆た翌日(2日目)
この日は白ワインを開けたので、全体的に洋風のメニューでいくことにしました。
コイチの刺身
とはいえ初めての魚なので刺身から試したいところ。
ワインに合わせて塩でいただきます。
美味しい!
弾力ある身質で、しっかりした歯ごたえ。
やはり処理が良いからでしょうか、まったく嫌なクセは感じず、塩だけで十分な味わいがあります。
が、塩にプラスしてオリーブオイルにつける(「かける」ではなく醤油につけるようにして食べる)と、ワインにより合う風味になりました。
派手さはありませんが、正統派の「たんぱくな美味しい白身魚」という印象。
どんな料理にも合いそうで、これからが楽しみです!
コイチのアラ出汁のスープ
アラで出汁をとり、冷蔵庫に余っていたヒラタケを加え、酒と塩コショウで味を調えました。
器に注ぎ、オリーブオイルをたらせば完成。
刺身と同じく、強烈な特徴があるわけではありませんが、クセがなく優等生的な美味しさの魚出汁スープになりました。
コイチのムニエル
ワインに合わせた洋風の魚料理ということで、メインは王道のムニエルに。
これは今日一番のヒット!!
刺身で感じた淡泊ながらもしっかりした旨味が、より強く感じられます。
生では歯ごたえのあった身質は一転、加熱によってしっとりフワフワな舌ざわりに。
皮にはコラーゲンっぽいプルプル感と、程よいクセと言いますか…クセとまではいかないけれども独特の風味があり、それがムニエルにぴったり。刺身で炙った皮にはこの風味を感じなかったので不思議です。
先にも書いたようにムニエルは定番中の定番の魚料理なので、向かない魚というのはあまりないと思います。
一方で、シタビラメやマトウダイのように、ムニエルにすることによってその個性が最大限に引き出される魚もありますよね。
個人的には、コイチもそんな魚のうちの一つではないかと思いました。
3日目
〆て3日目の今日は、これ以上置くと臭くなりそうな部位を中心に食べることにします。
コイチの頭の塩焼き
ということで、頭とカマを塩焼きにしました。
ムニエルと同じく、加熱したことで身がフワフワに。
何の変哲もないシンプルな塩焼きですが、めちゃくちゃに美味しいです…
臭くなりやすい部位ですが全く問題なく、処理の良さを実感します。
コイチのアラ出汁の味噌汁
残りのアラで2回目のアラ出汁をとり、今度は味噌汁に。
こちらも危なげない美味しさでした。
4日目
頭や骨は使い切り、もう残っているのは身だけになりました。
コイチの塩焼き
昨日食べた頭の塩焼きがやけに美味しかったので、身も塩焼きにしてみたところ…
やっぱり物凄く美味しい!
本当に淡泊で「無個性」と言って差し支えない味わいなので、正直これをブラインドで食べても何の魚か絶対に当てられないと思うのですが…
加熱で引き出されるフワフワ感と相まって、純粋に美味しいな~と思える塩焼きです。
5日目
早くも〆て5日目、神経締めの魚とはいえ種類によっては臭みが出始める頃なので、しっかり目の味付けにすることにします。
コイチの酒蒸し(清蒸/チンジョン)
塩をふった切り身を酒蒸しにし、白髪ねぎをあしらった上から熱したごま油をジュッとかけました。
これは唸る美味しさ…!!
しつこいようですがフワフワの身質が最高です。
どうやらコイチは多少加熱しすぎたくらいでは硬くならないようです。蒸し物のように火の通し加減が難しい料理でも扱いやすいのは嬉しいですね。
しっかり目の味付けとはいっても少量の塩・酒・ごま油だけのシンプルな調合でしたが、臭くないどころか上品で高貴さすら感じる味わい。
5日目にしてこの美味しさ、コイチに底なしのポテンシャルを感じます…
6日目
コイチの魅力をまだまだ堪能したいところですが、残量的に6日目の今日が最終日になりそうです。
冒頭に書いた「練り物の材料にされることも多い」という情報をふと思い出し、つみれ鍋にすることにしました。
コイチのつみれ鍋
まずは身を包丁で叩こうとしてビックリ、〆て6日後にも関わらず身が弾力を失っていません。
それどころか、包丁を押し付けるとボヨ~ンと押し返してくるほど。
どうしたものかと思い、取り敢えずできるだけ細かく切ってから塩を加えたところ、少し粘りが出てきました。
同じく細かく切ったネギ・大葉と混ぜてギュッと握ると、繋ぎなしで団子状になりこれまたビックリ。
このまとまりやすさ、かまぼこの材料に重宝されるというのも納得です。
昆布出汁をとって塩と酒・醤油で薄目に味付け、少し煮れば完成です。
これは…めちゃくちゃ美味しい!
つみれって、配合を誤るとたちまちボソボソになったり、逆に弾力が強すぎたりしてしまいますが(私だけかも)、これはフワフワでプリプリ、まさに理想的なつみれです!
繋ぎがなく分量も間違えようがないので、再現性が高いのも嬉しい。
今回は寒かったので鍋にしましたが、叩いたときの粘り気の感じなどがなんとなくトビウオに似ているような気もしたので、加熱せずそのまま塩たたきとしても美味しそうです。
ちなみに〆の雑炊も…
当然ながら美味でした。
コイチのまるサバごはん、感想
コイチの印象を一言で表すと、
「無個性ながらも旨味はしっかりで身質は抜群、しかも持ちが良い」
でした。
最高じゃん
最高です
塩焼きなどのシンプルな料理でも美味しい上に、ムニエルや清蒸などの味を追加する料理にもぴったり。
1週間近く経っても臭くならず、身質も劣化しない。
加熱しても硬くならずに扱いやすい。
家庭での魚料理にこれほど使いやすい魚もなかなか無いのではないでしょうか。
こんな魚がスーパーで手に入るなら、もっと魚料理を楽しむ人が増えそうなのになぁ~
知名度の低さや、「処理がダメだと味もダメ」という点がネックなのでしょうか?
知名度はさておき、こんなに大きなポテンシャルを秘めた魚なのに処理で台無しにしてしまうのは本当にもったいない話です。
適切に処理されたコイチの美味しさが多くの人に伝わりますように…
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