アジが手に入ったら一度は試していただきたい食べ方の一つ、アジのフルコース。
フルコースといってもフライや南蛮漬けなどの手間のかかる料理はない「プチ」コースなのでとっても簡単。
三枚おろしにさえしてしまえば、後はほぼ手間なく流れるように三品を作ることができます。
マアジのフルコースの簡単な作り方と、ひとサバきで三度美味しい(?)多彩な味わいを紹介します。
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スーパーで特売の小アジをゲットしました。
小アジといっても20cmくらいの大きさで、食べ応えがありそうです♪
3匹のうち2匹は生殖腺(精巣=白子)がかなり発達しているので、脂ノリは薄い気がします。
今回は、刺身→なめろう→なめろうご飯とアラの味噌汁という、マアジの王道フルコースにしたいと思います。
小アジの刺身
まず小アジを三枚におろします。1匹につき2サク、合計6サクとれるので、3サクを刺身に、残りの3サクをなめろうにすることにします。
アラは湯引きし、水を張った鍋に入れて煮出し、アラ出汁をとります。
この間に小アジのサクから小骨を抜いて皮を引けば刺身の完成、なのですが…
誤ってアラ出汁用の鍋に1サク落としてしまい、表面に少し火が通ってしまいました(汗)
なんとなくマヨネーズと合いそうなので、ぶつ切りにしてマヨネーズをかけてみることに。
刺身にはおろしショウガを添えて、完成です!
サッポロ黒ラベルと一緒に、いただきま~す!
・・・おいしい~♪
予想通り脂のノリはありませんが、アジ特有の濃厚な旨味や芳醇な香りは十分に感じられて安定の美味しさ。
つくづく、魚の美味しさは脂のノリだけで決まるわけではないな~と思います。
マヨネーズがけの方は、一口目はちょっと微妙かなと思ったものの、クセになってついつい箸が伸びてしまう感じ。
缶詰のツナを生にした(?)ような食感で、程よいジャンク感がビールのアテに丁度良く、なかなかどうして悪くない!(見た目は悪いですが)
思い切ってブラックペッパーやニンニクを混ぜて、これでもかとジャンキーにしても良いかも?その代わりにマヨネーズの量を減らすとアジ感も残って美味しそうです。
小アジのなめろう
小アジのサクを小骨を抜かずにぶつ切りにし、お好みの薬味と一緒に包丁で叩きます。今回は長ネギと刺身で残ったすりおろしショウガを入れました。
味噌を少し加えてさらに叩き、お皿に盛れば完成です!
愛媛の地酒「城川郷」と一緒に、いただきます!
・・・おいし~い!!
アジの旨味・薬味の香り・味噌のコクが三位一体となって極上の味わい。
なめろうを一口食べてお酒をちびり。また一口食べて、さらにちびり。
薬味を少なめにしたので口当たりも軽く、延々と食べ(&飲み)続けられそうです。
そういえば、以前はショウガやネギに加えてミョウガや大葉など色々な薬味を混ぜていましたし、味噌ももう少し多めに入れていました。
お酒が(今以上に)進む味わいでとても美味しいのですが、最近は薬味の種類や味噌の量を減らしてアジの旨味と香りを引き立たせることを楽しんでいます。
もちろん、どっちが良いとか悪いとかではなくどちらも美味しいので、好みや気分、冷蔵庫の食材などと相談して調整するのが良いと思います。
この料理にはこの材料がないと!などと構えず、柔軟に「まるサバごはん」したいところです。
そんなことに思いを巡らせながらちびちびやっているうちに、あっという間に完食しそうになりました。危ない危ない。
もっと食べたくなるのをグッとこらえて、〆のなめろうご飯用に少し残しておきます。
小アジのなめろうご飯・アラの味噌汁
刺身を食べている間にとっておいたアラ出汁に、なめろうで使った長ネギの青い部分を入れてさらに煮出し、
アラを取り出して豆腐を入れます。
アラを味噌汁の具にしても良いのですが、今回は入れませんでした。
酔っぱらった後にアラの身をほぐしながら食べるのはちょっと面倒なのと、長時間(刺身となめろうで晩酌している間)煮出してアラ自体に味が残っていないためです。
味噌を薄めに溶き、お椀によそって小口ネギを散らせばアラの味噌汁の出来上がり。
なめろうご飯は残しておいたなめろうをご飯に盛るだけで、完成です!
まずは味噌汁から…いただきます!
・・・し、染みる~~~!!
アジの旨味と共に幸福感が身体いっぱいに染みわたっていくようです。
アジの味がたっぷり出ているので味噌は薄めにして正解でした。
アラは入れずに具も少なめにしたので飲みやすく、酔っぱらった後の〆にぴったりです。
なめろうご飯も期待を裏切らない美味しさ。
熱々ごはんと冷たいなめろうのコントラストが小気味良く、アラの味噌汁とも当然ながら相性バツグン!
今回はシンプルななめろうご飯でしたが、これにお茶やお湯を注いでなめろう茶漬けにしたり、納豆と混ぜてなめろう納豆ご飯にしたり、気分によってアレンジも色々楽しめます。
なめろうの後のなめろうご飯、とってもオススメです!
アジの旨味を文字通り骨の髄まで堪能でき、大満足の夜でした。
小話
普段何気なく食べているマアジ。
実は、東シナ海で生まれて回遊してくるもの(回遊型)と、近海で生まれてそこで育つもの(居着き型)の2タイプの生活史があります。
居着き型は特定の地域に限らず全国的にいるようなので、皆さんの近くの海にもいるかもしれません。
資源量は「回遊型」の方が「居着き型」より多いのですが、マアジ資源全体が少なくなってくると「居着き型」の割合が増えてくるようです。
つまり、「回遊型」の資源量は多いけれども大きく変動するリスクがあり、「居着き型」の資源量はもともと多くないけれどもあまり変動しない、ということなのでしょうね。
自分が今食べているマアジはどっちかな、なんて考えながら食べるのもまた乙ですね。
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