「血生臭さのない上品なカツオ」というイメージだったハガツオの、知られざる一面が次々と明らかに…
ハガツオの血合い骨のなめろうとアラの潮汁の簡単な作り方と、個性溢れる七変化の味わいを紹介します。
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旬を大きく外したハガツオを使った「まるサバごはん」、刺身・炙りとマース煮の続きです。
次に料理するのは、三枚におろした半身から取り除いた「血合い骨」の部分。
見落としがちな部位ですが、1キロのハガツオの血合い骨ともなれば骨の周りに付いた肉のボリュームも相当なもの。捨てるのは勿体ない!
薬味と一緒にたたいて「なめろう」を作ります。
ハガツオの血合い骨のなめろう
血合い骨の部分を包丁で叩きます。骨が舌に当たらないように、身で作るなめろうよりも気持ちしっかり目に。
大葉・ネギ・ショウガのすりおろしを加えてさらに叩き、
味噌を加えて味を調えます。
血合いの部分ということもあり、味見してみると少し生臭い。なめろうは薄味がマイブームなのですが、味噌の量はいつもより2倍くらい多めにしてみました。
器に盛り付けて、ハガツオの血合い骨のなめろうの完成です!
アサヒビールと一緒に、いただきます♪
・・・血の味だ…!!
刺身ではカツオの血生臭さをなくして上品にしたような風味だったハガツオ。さすがに血合いだけ抽出すると血の存在感を発揮しています。
それでもまだカツオよりは穏やかで、レバーペーストのような雰囲気のある美味しさ。洒落たビストロとかで出てくるアレですが、何を隠そう、私の大好物なんです…
骨が当たらないように一所懸命叩いたので、普通のなめろうよりもさらにネットリ。これもレバーペースト感の醸成に貢献しているのかもしれません。
薬味をディルなどのハーブに変えて洋風に仕上げたらワインにも合いそう。なめろう×ワインは未知の組み合わせですが、試してみる価値はありそうです。
今日は暑かったのでビールで始めましたが、あまりの「お酒のお供」感に堪らず日本酒に切り替え…
ほど良い血の味と多めに入れた味噌が相性バッチリで、お酒がクイクイ進む進む~
血生臭さが薄いというのがこれまでのハガツオの印象でしたが、カツオのように血の香りを楽しむ食べ方もできるとは嬉しい驚き。
一方、刺身と炙りで感じた素晴らしい酸味はなめろうではあまり感じませんでした。マース煮でも感じなかったし、あんなにも強い酸味はどこに行ってしまったんでしょう?
ハガツオのなめろうご飯とアラの潮汁
最後になめろうの〆の定番、なめろうご飯と潮汁を作ります。
三枚おろしで出た中骨と、刺身の時にすいた腹骨を水と酒で煮出し、
薄口醤油で味を調え、豆腐とネギを加えれば完成です!
まずは潮汁から…いただきます!
・・・!! 酸味、ここにいたのね…
口に含んだ瞬間に凄まじい酸味を感じます。刺身の酸味より強く、「お酢、入れたっけ?」と自分の記憶を疑ってしまうほど。
普通の潮汁ではまず旨味がじわ~っと染み入るように感じられるのに対し、この潮汁はいきなり酸味がブワっと押し寄せて、遅れて旨味がノコノコとやって来る感じ。
刺身では酸味が強いとはいえ旨味とのバランスもとれていましたが、潮汁ではそのバランスが崩壊。酸味に振り切っています。
今まで作ったハガツオ料理はサバ科の魚の良いとこ取りのような美味しさで、あまり尖った部分はありませんでしたが…ここにきて非常にシャープなとんがりを見せてきました。
好みの分かれる味かもしれませんが私は大好き!特に夏にはサンラータン感覚で最高の潮汁です。
なめろうご飯はやはり鉄板の美味しさ。なめろうを作ったら是非食べたい一品です。
が、あえて欠点を挙げるとするなら、たらふく飲んだ後の〆には溢れ出るレバーペースト感がちょっと重め。
お茶やお湯を注いでなめろう茶漬けにした方がサラっと食べられるかもしれません。
刺身で感じた強い酸味がマース煮では消え、汁にすると大復活を遂げるという面白さがあったので、なめろうに熱を加えるとどうなるのかも気になります。
マース煮・なめろう・潮汁と、ハガツオの美味しさ七変化に魅了された楽しい夜でした。
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